「債務整理について調べてみたけれど、聞いたことがない単語ばかりでよくわからない」
債務整理では、日常生活でほとんど聞くことがない専門用語がたくさん出てきますので、難しく感じてしまうのは無理ありません。
特に多く出てくる専門用語が債権者、債務者ですが、これは、借金を返済する人が債務者や、お金を貸している貸金業者などが債権者となります。
債務者と債権者について、自分がどちらか理解していれば、債務整理に関する情報もわかりやすくなっていくでしょう。
この記事では債務者と債権者の違いや言葉の意味をご説明いたします。
返済する方が「債務者」、請求する方が「債権者」
上の図は、債務者と債権者の違い、債務と債権の言葉の意味をまとめたものです。
借金問題においては、基本的に債務者が借金を返済する人、債権者がお金を貸した人(貸金業者など)で、お金の貸し借りにおいて債務、債権という言葉には次のような意味があります。
債務……お金を貸してくれた相手に借金を返済する義務
債権……お金を貸した相手に対して借金返済を求めることができる権利
なお、お金の貸し借り以外では、自動車や住宅をローンで購入した際の代金を支払う義務、賃貸契約を解消した際に家を明け渡す義務なども債権に該当します。
返済するべき借金がある場合はあなたが「債務者」
あなたがお金を借りている側であれば、あなたは基本的に債務者となります。
たとえば、貸金業者から100万円の借金をしていたら、あなた(債務者)は貸金業者(債権者)に対して100万円を返済する義務(債務)があります。
借金や債務整理に関する様々な情報で債務者、債権者という言葉がでてきますが、基本的にはあなたが債務者に該当します(ただし、次にご紹介するケースだけ、債務者と債権者の立場が逆転します)。
過払い金請求になるとあなたは「債権者」になる
借金問題においては基本的に返済するべき借金がある人が債務者、お金を貸した貸金業者が債権者になりますが、完済後に行う過払い金請求の時だけは立場が逆になり、過払い金請求をする人が債権者、貸金業者が債務者になります。
過払い金請求は、借金をしていた人が貸金業者に対して「払い過ぎたお金を返してほしい」と支払いを求める権利(債権)です。既に借金を完済していますので、貸金業者に借金を返済する義務(債務)はありません。
そのため、過払い金請求の際は借金をしていた人が債権者、お金を貸していた貸金業者が債務者となります。
債務者は、契約通りに返済する義務を負う
債務者には、債権者に対して借金を返済する義務があります。お金を借りた際に金利や返済日、返済金額などの契約をしていると思いますが、この契約通りに返済する義務があります。
生活が厳しいからといって、勝手に返済日を遅らせたり、返済額を少なくしたりするなどの変更をしてはいけません(早く返済する、返済額を多くすることは可能です)。
債務者に借金を返済する義務があるように、債権者には借金を返してもらう権利があります。債務者が契約内容通りに借金を返済しなかった場合、債権者は自分の利益を守るためにその権利を行使することができます。
具体的には、「督促をする」「裁判を起こす」「強制執行を申し立てる」といったことを行います。債権者がこれらの権利を行使すると債務者は厳しい状況に追い込まれ、最終的には財産を差し押さえられる恐れがあります。そのため、トラブルなく借金問題を解決するためには、契約通りに借金を返済していくことがとても大切です。
もし、契約通りに借金を返済できない時は、債権者に相談して毎月の返済額を一時的に減らしてもらう、債務整理で月々の返済額を減らすといった対応をとりましょう。
まとめ
債務者と債権者の違いや、債務者の借金返済の義務についてご説明しました。
・基本的に借金を返済する人が債務者
・完済後の過払い金請求の際だけ立場が逆になる
・債務者には借金を返済する義務がある
・債務者が滞納すると債権者は督促や裁判などを行う
以上のことをご説明してきました。
債務者と債権者の違いを把握したら、債務整理や借金返済で知りたいことを改めて確認してみてください。
債務者として、きちんと借金を返済していくことができれば、それがベストです。
ただし、借金返済を続けることが難しい、元金が全く減らないといった場合は債務整理をご検討ください。